ぼくは もう
あなたのことに
きょうみがないんだ。
それなのに、






ぼくのゆびと
あなたのゆびは、
おもたい
あおい くさりで
つながれてる。






どうしてさ?
おもたい
おもたい
おもたいよ。






ああ
いま みえないな、
しろい つき。
くもに かくれて
いるのかな、
ちきゅうの
うらがわに
いるのかな。






くさりは きっと
あおいから おもいんだ。
つきが あおいろを
すいとって
くれればいいのに。






ぼくには くさりが
おもすぎて、
つらい
つらい
つらいんだ。






つきよ
はやく でてきて。
そして
あおいろを すいとって。
そうしたら
くさりは きえて
なくなって、
ぼくと あなたは
じゆうに なれる。






うつら うつらと
しているうちに、
まんまるの
つきが
やってきた。






めがさめて
まどの そとを
みてみたら、






まっさおな そら!
まっしろな くも!






あなたとの くさりは、
きえて
なくなっていた。






なんて かるい!
なんて じゆう!






だけど なんだか
さみしい きもち。
どうしてだろう?
あなたには もう
きょうみがなかった
はずなのに。






そういえば あなたは、
まるで
あおい
まんげつのように
やわらかく
やさしく わらう
ひとだった。






あれ あれ、






なみだが
とまらない。






つきよ!やっぱり
あおいろを かえして!
かわりに
このなみだを
あげるから。

わかったんだ、
あおいろの
くさりの いみ。
あなたが
だいじなものだから、
おもい くさりで
つながっていたってことが
わかったんだ。






やがて くさりは
もとどおり、
あおく あなたに
つながった。






あなたは
いつものように
やさしく わらう。






あおぞらのように。


end.





≪元詩≫